スターリング2 SS付

rs-5

 あの後、地上に戻ってからオレたちは宿をとった。
深夜、リャンシャンの酒場の暖簾をくぐると、
まるで示し合わせたかのようにタンクレッドの姿があった。
もちろん約束なんかしていない。

タンクレッドはカウンターに席をとると、人目もはばからずに声を上げて泣いた。
酒に弱いくせに、呷るように次々とグラスを空にしている。

パーティーの中で一番酒に強いのは軍師のおっさんだ。
ああ見えて、いくら飲んでも顔色ひとつ変わらない。
次に陛下だ。
アルコール度数の高いやつが好きらしい。
酔うと歌い始めるから厄介なんだがな。
タンクレッドは一杯でヨレヨレになっちまう。
だから今日みたいに何杯も空けているとそのうち寝ちまうに違いない。
オレはというと、酒はまったく飲めない。
いつも酒場では決まってオレンジジュースだ。

あのエセ外人も・・・弱かったな・・・。

弱いくせに飲みまくるから手に負えねぇんだ。
ったく、誰が介抱すると思ってんだ。
飲まないオレは、いつも貧乏くじだっつの。

「・・・チッ」

横を見ると、タンクレッドは酒が回ったのか、カウンターに突っ伏して涙を流していた。
あいつの名を呼びながら、声を上げて泣いている。
オレは悪態をついてやろうと口を開いたが、出てきた声は予想以上に震えていた。

「オレだってなあ・・・こらえ・・・っ・・・こらえてんだ・・・!!」

そう搾り出すように言ってオレはグラスの中のカシスソーダを一気に呷った。

明日はセキシュウサイの孫とやらを誘いに行くらしい。
確かにそれでパーティーの穴は埋まるだろう。
だけど、あいつが戻ってくるわけじゃない。
あいつは、あの情けねぇことばっか言ってたくせに
一番体を張っていたエセ外人は、もう戻ってこねぇんだ・・・!

そうしてオレは、飲めもしない酒を飲んでいる。

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※背景を誰そ彼亭様よりお借りしました。

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